CE認証が竹フローリングの安全性を支える理由

欧州向けの竹フローリングを製造していると、品質基準の中でも特に重視されるのがCE認証だ。CEマークは欧州市場で販売される建材に求められる基本条件のひとつであり、竹フローリングも例外ではない。現場ではこの基準を満たすために、原料管理から加工、検査、梱包まで細かな対応が求められる。ここでは、CE認証が竹フローリングの安全性にどのように関わり、工場側が実際にどのような点に注意しながら製造しているのかを整理してみたい。

建材のCE認証では、EN規格に準拠した試験が必要になる。フローリングの場合、寸法安定性、反り、難燃性、滑り抵抗、表面強度、ホルムアルデヒド放散量など、使用環境に影響する項目が対象になる。竹材は木材とは異なる構造を持つため、試験では竹特有の収縮特性や密度変化がどのように現れるかが注目される。工場としては、規格を満たすデータを安定して出せるように管理する必要がある。

特に重要なのがホルムアルデヒド放散量だ。欧州ではE1クラスが基準になり、竹フローリングもこの規格内に収まることが求められる。ストランド竹の場合、樹脂の使用が避けられないため、樹脂選定が大きなポイントになる。工場では樹脂ロットごとに小試験を行い、放散量に変化がないか確認している。反応硬化が不十分な場合、後工程で放散量が上がり、CE基準に適合しなくなるため、温度・圧力・時間の管理が極めて重要だ。

難燃性試験は竹材にとって慎重な対応が必要な部分だ。竹は繊維密度が高く、燃え進み方が木材と異なるため、表面仕上げの厚みや塗膜の種類で試験結果が変わることがある。工場では塗膜構成を安定させるため、各層の塗布量と硬化条件を機械と人の目で二重に確認している。塗膜が均一でないと燃焼時の炭化速度が異なり、試験値がばらつくことがあるため、ここは注意が必要だ。

寸法安定性の試験では、熱・湿度条件を変化させた際の膨張率や反りが測定される。竹フローリングは素材の含水率管理が重要になり、CE認証を安定して取得するためには乾燥工程の一貫性が欠かせない。工場では、竹片の含水率を入荷段階で測り、乾燥前と乾燥後も確認している。季節の変化で含水率が変動するため、乾燥窯の設定を細かく変えながら数値の安定を狙う。特に4〜6年竹は含水率が落ち着きやすいが、それでも条件次第で差が出るため、原料ロットごとに合った乾燥調整が必要になる。

滑り抵抗試験は、欧州の公共施設や店舗で重視される項目だ。竹材の表面は加工方法によって滑りやすさが大きく変わる。マット仕上げの場合は滑りにくいが、サテン仕上げは光沢とともに滑り抵抗値が変わることがある。そのため、表面の研磨粒度やUVコートの配合が管理ポイントになる。現場では、塗布量が安定しないと滑り抵抗が変化してしまうため、ライン全体の管理が結果に直結する。

CE認証では、製品の均質性も求められる。単に一度試験で基準を満たすだけでなく、量産品が同じ基準を満たし続けられるかが重要になる。工場側では、量産開始前にプリプロダクションとして試作ロットを作り、複数項目を社内試験する。ここで数値が安定しないとCE認証の本試験に進めない。量産中も、一定間隔で基準項目を社内検査し、ロット差が大きくならないよう管理している。

ストランド竹の場合、圧締密度がCE項目の複数に影響する。密度が高すぎると膨張収縮が大きくなることがあり、逆に低すぎると硬度不足や衝撃強度不足につながる。工場では圧締機の温度、圧力、時間の設定をロットごとに微調整し、密度が規格範囲に収まるよう管理している。特に樹脂含浸のムラは密度に直結するため、樹脂攪拌と供給ラインの管理も欠かせない。

CE認証の過程で求められるのは、書類管理も含めた品質追跡だ。原料ロット、乾燥条件、圧締データ、加工機の設定、塗装ラインの温度や硬度、検品結果などを記録し、トレーサビリティを確保する必要がある。欧州の顧客はトレース情報への要求が厳しく、ロットごとにいつ、どのラインで、どの条件で作られたものかが明確でなければならない。工場にとっては手間が増えるが、結果として品質が安定しやすいという利点もある。

CE認証を意識したフローリング製造では、原料段階から品質が整っていることが重要だ。含水率、繊維密度、節の量、表皮の厚みなど、原料のばらつきが大きいと量産の安定性が損なわれる。現場では、同じ地域・同じ山から採れた竹をまとめて加工するよう手配し、ロット内のばらつきを極力減らしている。とくに4〜6年竹は加工安定性が高いため、欧州向けでは必ずこの年齢帯が選ばれる。

工場目線で言えば、CE認証は単に販売のために必要なマークではなく、製造工程の品質レベルを底上げする仕組みとして機能している。試験に通すだけであれば一時的に調整すれば済むが、量産で同じ品質を維持するには原料、工程、検査、保管のすべてが安定していなければならない。認証基準を満たすために日々管理している細かな作業が、結果として安全性と品質の向上につながっている。

竹フローリングは素材としての特性が複雑で、加工条件がわずかでも変わると数値に反映されることがある。そのため、CE認証が求める項目を安定して満たすことは簡単ではないが、基準に沿った管理を積み重ねることで、安全性と信頼性の高い製品が作られていく。現場では、その積み重ねが欧州での竹フローリングの評価につながっていると感じている。

Japan China Bamboo Supplier

Bothbest is a FSC certified bamboo factory based in China starting the manufacturing since 2001, mainly supplying bamboo flooring, bamboo decking and bamboo plywood.

0コメント

  • 1000 / 1000